『アウトレイジ』『アウトレイジビヨンド』を見た。
今更!という感じですが、先日BSジャパンで連チャンで放送してくれたのを録画して、ようやく見た次第です。
椎名桔平のカッコよさにクラクラしつ(あのやられ方には泣いた(T_T))、たけしってやっぱり天才なんだなーと思いました。
大昔、『その男、凶暴につき。』を高校帰りに一人で見に行って、映画館を出た後どこかから弾が飛んでくるんじゃないかと恐ろしくなったあのリアリティ恐怖感も健在だったw(´∀`)
あんな派手に殺し合うなんて現実じゃなかなか有り得ないだろうに、なのに不思議とガチリアルな怖さを感じさせる。そこがたけし映画の凄さだ。
・・・といっても、たけし作品をどれだけ観ているのかと言うと実はそんなに見ていない。
『その男、凶暴につき』
『3-4x10月』
の二作は映画館で観たけど、それ以降は観ていない。
しばらくして『座頭市』はテレビで観た。『HANA-BI』もこの前テレビでやっていたのを途中から観た。
それ以外は観ていない。『ソナチネ』も『菊次郎の夏』も観ていない。
きっと、監督デビューから二作続けてハードな感じで私の個人的には新鮮だったのが、三作目の『あの夏、いちばん静かな海。』がしんみり情感路線ぽくて私はそういう系の作品は観ないのでそこで一旦途切れてしまったことと、あっという間に評価され大々的に人気になり、オタクにありがちな「自分が応援しなくても大丈夫」という盛大な勘違い的安心感に到ってしまったこと、がある気がしますw(´∀`)
そんなアウトレイジ、ネットではたけしの演技が棒でクソだと言っている人もいたが、私は逆にあれがいいんじゃないかと思った。
みんながたけしと同じ感じだったらまずいけど、周りは演技の上手い役者揃いで、その中でたけしだけがあの「たけし節」だからこそ逆にリアル感がある。
あの喋りで、事故の影響で顔の片側だけ引きつらせて笑う表情がまたいいのだ。
狂気をやらせたらうまいよね・・・
なのに素朴で人の好さを感じさせる演技ができる。
周りの芸達者がいてこそではあるけれど、やっぱすごい。
ところで、たけし映画とは関係ないんだけど、先日NHKで六角精二が石川県の「のと鉄道」に乗って酒を飲みながら旅をする、という番組がやっていて夫と見たのだが、この人も役者じゃなければただのクズという方面の人だよね、パッと思いつく作家の西村賢太とかもそうだけど・・・という話をした。
役者や作家には多いけど、演技の才能や文章の才能があって、そしてそれがたまたま開花したから今は社会的にそれなりの地位になれたけれど、それがなかったらかなりヤバい人、ダメ人間という人の一人ですよね。
いや六角さん自体は好きなんですよw(´∀`)
芸能界も文筆業界も昔からそういう人が多いんだろうなーと思っているんですが、一芸で身を立てられる世界であって、その一芸は異才であって、非凡なわけですよ。
非凡ってのは一般社会で普通に生きていく分にはなかなか受け入れられないので、一般社会ではうまく生きられないんですよね。
私はダメ人間ではあるけれど無才で小心という意味では間違いなく一般の凡人なのでよくわからないけど、「綺麗なだけじゃない色んな世界」というのは必要なんだろうな、と思ったわけです。
それこそヤクザなんて劇中の松重さんの感覚が正しくて害でありゴミのような世界だけど、だからって、間接的に"我々民草の意思" として「完全に潰さない」のは、やっぱりそこにはそこの役割があるからなんだろうと思ったわけです(ただ黒い部分の仕事をするという意味での役割だけでなく、もっと深い意味で)。
感情的には恐ろしいので完全に消えて欲しいけどね・・・((((´ρ`;))))
しかし個人の感情はただの感情であって、善悪・正誤の基準にはならないからね・・・(´ρ`)