願わくばまんまるく、徒然。

願わくば道端の石のように穏やかに、永遠の傍観者に。

『ヒューマンターゲット』が面白かったこととちょっと残念だったところ。

関東の海外ドラマ好きーにしかよく分からないと思うんですが、テレ東ランチチャンネルでつい最近まで『ヒューマンターゲット』という米ドラマがやっていました。

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↑日本語版はないのかちら…(´・ω・`)ガッカリ


 その前々番組である『HAWAII FIVE-O』シーズン2のラストが壮絶なクリフハンガーで終わったショックで後続番組『トランスポーター』は観る気になれないままシーズン3をレンタルしようかどうか悶々としていたんですが、そのうちショックも癒えて「とりあえず様子を見よう(本音:金がない( ´_ゝ`))」と、次の後続番組であるこの『ヒューマンターゲット』を二話目から観始めたんですよね。
冒頭の過去形で分かるように実はもう放送は終わっており、現在はなんとその『HAWAII FIVE-O』シーズン3が始まっており、嬉しい限りなんですがー(´∀`)(レンタル我慢して良かった!)

しかし、何の気もなしに(というよりぶっちゃけ『HAWAII FIVE-O』ロスの繋ぎ程度の気持ちで)観始めたこの『ヒューマンターゲット』、観ているうちにそこそこハマってしまい、終わってしまうと悲しい…というか、更に調べたらシーズン2で完結(打ち切りらしい…)している作品であるらしく。もう二度と続きは観られないということが分かってからは尚の事寂しい気持ちでいっぱいなわけです。
そんなわけで、今のうちにちょっとこの作品の感想を残しておきたく、今回はそういう記事です。 

作品ボキャブラリーの乏しい私が大雑把に説明すると、『冒険野郎マクガイバー』と『007』を足して2じゃなく3で割った感じですかね…(´∀`)(※大雑把にも程がある)


悪者のボスに育てられた殺し屋が更生して現在は依頼人の命を守る究極のボディガード、クリストファー・チャンス(マーク・バレー)となり、二人の仲間(元警察官、殺し屋仲間の天才ハッカー)と共に敵を蹴散らし色んなトラブルを解決する、というストーリー。もちろん一話完結。
ちなみに「クリストファー・チャンス」は代々受け継がれてきた名前という設定です。

この手のB級作品にありがちなご都合設定満載で作りは少々安易なものの、お手軽にアクションと小気味良いカタルシスを得られるちょうど良い作品でした。
まあ上の二つのビッグタイトルに比べると多少薄味かもしれませんが、ストーリーは割とよくできていて、私は大好きな感じでした。多少お手軽な感は否めませんが、正直どんな絶望的状況(北朝鮮の山奥とか)からでもあっさりスティーブは生還する『HAWAII FIVE-O』もどっこいどっこいですw(´∀`)

最初はB級感コテコテだったものの、回が進むにつれて背景となるチャンスの過去がうまく生きてきて、シーズン1の後半にはチームに新しい仲間も増え、あらこれいいじゃない!(´∀`)タノシミ!となって行きました。

まず良かったところなんですが、レギュラーキャラクターが魅力的でした。こういうジャンルの定番と言ってもいいキャラ設定ではあるんですが、ちゃんと血が通った設定というか、魅力のある人物だった。
個人的にはゲレロ(天才ハッカー、ジャッキー・R・ヘイリー)が良かったです。天才ハッカーという肩書なので『クリマイ』のガルシア的な感じの役かと思いきや、もともとはチャンスと同じ殺し屋なのでそっち方面も無双の武闘派。更に「本業」は実は拷問で、冴えないオッサン風な外見とは裏腹に裏社会で「ゲレロ」の名前は "名前を出してはいけないあの方" 風に恐怖の対象として広く知られている…という、中二には堪らない役どころ。
吹き替えのドライな声音と話し方がその底の見えない恐ろしさと異様なほどマッチしていて、良かった。いついかなる時でもちょっとゲス含みのあの淡々としたシニカルなスタンスが揺らがないので、彼パートのシーンの安心感は半端なかったです(´∀`) 『クリマイ』で言うロッシパート並みの安心感。いやそれ以上。後半になればなるほど人間的なところや深みが見えてきて、実は幼い息子がいて心から大切に思っていることなんかも分かってくる。
もう一人の誠実な相棒・ウィンストン(シャイ・マクブライド)も良かった。見た目の印象を裏切らないいい人というか、正義を貫きつつ、やる時はきちんとやる。一番良かったのが、心に正義を持ったいい人キャラって暴力やダーティな手を使うのを嫌がったりすることが多いじゃないですか。だけど、この作品通してそれがないのが良かったことなんですが、このウィンストンも躊躇なく手を出してくれて、ロケットランチャーを嬉々としてぶっ放してくれたりーといった感じなのが良かったですね(´∀`)
途中から加わった女性レギュラー陣のミセス(イルザ・)プッチ(実業家、資金提供してチームのオーナーとなる)、エイムズ(掏摸窃盗クラッキングのプロ)も良かったです。いくらウィンストンが元警察でコネがあるといっても実質私立探偵業(私設ボディガード・民間リスクマネジメント業)なわけで、権力と資金を持ったオーナーがついてくれるスピードワゴン財団は大歓迎ですよね!(´∀`)(スピードワゴン財団を誤解させかねない文章)
ミセスプッチという政財界にも名の通った大富豪のオーナーがついたことで、色んな融通が利いたりプライベートジェットで移動が楽になったり…とストーリー作りが楽になり、恐らく制作スタッフはこの布陣で長期シリーズを狙っていたんではないでしょうか(という勝手な憶測)。

…しかし、ここからが私が感じた残念なところなんですが、同時にこの頃(シーズン2の始め頃)から私の "視聴心" に仄かに暗雲というか、何となく「嫌な感触」を感じ始めたわけです。
それは何かというと、他ならぬ主人公・チャンスの「頑張り」に対する「報酬(※視聴者への)」がなくなっていくこと。

そもそもこの作品の鑑賞ポイントは、分かりやすいカタルシスにあります。
毎回異なる依頼の解決を色んな計画とアクションで魅せ、結果的に「命がけで助けてくれるチャンスに感謝する依頼人」というカタルシスに収束するのがこの作品の命だと思うんですよ。
ところがこの頃からそれが減って、…というかなくなっていき、命を狙われてチャンスだけが最後の希望だったはずの依頼者が途中でぐちゃぐちゃ文句をつけたり、助けてもらったのに素直に感謝しなかったり、あろうことか憎んだりするケースが増えていくわけです。
最後の「憎んだ」というケースはまあレアであり、過去に自分の愛する夫を殺したのが殺し屋時代のチャンスだったと分かったことで恨む気持ちは確かに分かりもするんですが、でもそれだって最後にチャンスが悪かったんじゃないこと、命がけで彼女を守ったこと、等を鑑みれば、確かに直接夫の命を奪ったのは彼だとしても、他にもっと対応はあったんじゃないかと思うわけです。しかもその殺された夫は無実の善人なんかではなく、実は自分の欲で相手をゆすっていた小悪党だったんですが、チャンスはそれを妻に言わないので妻は夫が善人だったと信じているままなんですよね。で、チャンスを「アタシを助けてくれたからって夫を殺したことを許すわけがない!ヽ(`Д´)ノアンナイイヒトダッタノニ!」って憎んだままジ・エンドですから、こっちはフラストレーション悶々ですよ。じゃあお前も黙って組織に殺されれば良かったじゃネーノ!(゚д゚)って画面に向かって唾吐きたくなりました。助けてもらったくせに!ヽ(`Д´)ノ

ミセスプッチの登場回もそうで、自分がチャンスの指示に従わず危険に巻き込まれたのに、ほとんど反省せず、再度助けてもらった後の指示にも文句言ったりわがままな注文つけたり…。
私そういうのほんとだめなんで、イライラというかうんざりしました、ほんと('A`)ウヘァ。

しかしもしかしたらそういうのってアメリカと日本の文化や価値観の違いなんでしょうかね? 他の米ドラマでもそういうことはあって(まあ『CSI:マイアミ』が顕著ですけど…( ´_ゝ`))助けてもらう側だったり罪を犯した側だったりといった、「立場が弱い」はずの側が「それとこれとは別(゚д゚)」とばかりにそれ以外の事柄については自分の権利を堂々と声高に主張する、という感覚。
例えばミスをした女性がそれを咎められているのに「女性にそんな口の利き方するなんて!」と怒り、相手の男性は「悪かった」と謝ったりするようなシーン。或いは、命懸けで助けに来てもらったのにその助っ人の個人的な信条を批判したり口論になったりするようなシーン。
そういうシーンを見ると「自分の置かれた立場の空気読め(゚д゚)ビシッ」で育った日本人としてはハア?(゚д゚)ってイライラして('A`)ウヘァってしまうわけでね…。

なんというか、「立場と義理」みたいなものに敏感な日本人としては、礼儀知らずの依頼人に対して「あんたらそもそもチャンスがいなかったら死んでたってわかってんの(゚д゚)?」と小一時間問い詰めたくなってしまって以降の話に集中できないw

アメリカ人のメンタルはどうなのか分かりませんが、こういう「懲悪モノ」の定型ドラマはカタルシスが命であって、それはぶっちゃけB級であればあるほど大事だと思うんですよ(さりげなくディスってる書き方ですけど、A級ではないでしょう(´ー`))。
例えば日本の勧善懲悪ドラマの代表である時代劇のいいところは人々から感謝されるところと後日談をきっちり描くことだと私は思っていて、それがカタルシスとして根強い人気を支えているのだろうと。
散々恐怖を与えられた気違いトラックをやっとのことで撃退して煙草吸ってふぅ…で終わる映画が名作とされてしまう文化の違いというか、感覚の違いなんでしょうか?(´ー`)
(いやあの作品が名作扱いされることには意義はないんですが、なんで?とか誰だったの?とかその後あの気違い運転手はどうなったの?とか報道とかはどんなふうにされたの?とかの部分が全く満たされないまま置き去りにされるので非常にフラストレーションが溜まりました。個人的にはああいう終わり方の話は大嫌いです。イライラするから!ヽ(`Д´)ノ(という「めでたしめでたし」で終わって欲しいお子様の文章)
ただここは私の個人的な都合というか信条が大きく、フィクションには娯楽としての要素しか求めていないので、わざわざ労や対価を払って「作品」を鑑賞して嫌な気持ちになる、なんてことは絶対に許せないのです。後味は嫌でも考えさせられたりするという社会的意義のある素晴らしい作品ももちろん沢山あるわけですが、私は絶対に観たくないというか、私に限ってはそういう「苦しいもの」「考えさせられる苦渋」は全て実人生に全部あるので、わざわざ娯楽でそんなものを得たくはないのです。自分のリアル人生が苦痛と悲しみに満ちたものなのになんで娯楽でそんなもん感じにゃならんのですか!ヽ(`Д´)ノ

…という私の切ない人生の話はさておき、上で「嫌な感じ」と書いたのは、結構前に書きましたが『CSI:マイアミ』の後半シリーズに感じるようになっていった不穏な印象と似ていたからだったんですよね。
あれも、レギュラーメンバーたちが善意でした行為が裏目に出たり、揚げ足を取られる失策に利用されたり、というふうにカタルシスが見る影もないほどになくなっていった作品でした。あまりにそれが酷くなって私はついに視聴し続けることを挫折したわけですが…遠い目(´ー`)

この『ヒューマンターゲット』は、脇を固めるレギュラー陣は全員良かったのに主人公(のキャラ設定や動かし方等やカタルシス的な報われなさ)がイマイチで、失敗しちゃったなあ…(´・ω・`)とね。
あのキャラクターは全員良いのでもったいないですな…。しつこいけど特にゲレロ!(´д`∗)ハアハア

完全に素人目線の批評ですが、本格的に長期シリーズを狙うなら、主人公の「元殺し屋で今は正義のボディガード・チャンス」にもう少し人間的な奥行を設定するべきだったなあ…と感じました。
同じような「人殺しだけど人好きのする人たらし」という感じの印象である007のボンドのキャラは、その「人殺し」は国家のためであり(一応)正義の行為というお題目があるからこそ矛盾なく成立しているわけで、そう育てられたから仕方ないにしろビジネスとして命じられるままに善良な人間の命を奪ってきた “極悪人” である過去のあるチャンスの、あの多重人格的に切り離された陽気なマクガイバーっぽさ」には私はどうしても違和感が拭えなかったというね。
更生して陽気になった、或いは敢えて明るく振る舞っている、というのであっても良いんですが、何にせよ彼の「明るさ」自体が悪いんじゃなくて、「キャラが繋がらない」のが問題というか。
なんかね。せめて依頼に関することだけは依頼人にきっちりクールを徹底するとか、作戦遂行中にわがまま言ったらさすがにビシッと一括するとか、そういうのが欲しかったです。緩すぎ(´∀`)というか、甘すぎ、優しすぎ。ちょっとグラグラしているところが…うーん。

なので、逆に、本格長期シリーズを目指すんじゃなくてB級に徹底してそういうニッチを狙っていくやり方でも良かったんだよねーと思ってしまったというね。
この場合は細かいところの粗やリアリティのなさは一切無視でいいから、「敵はやっつけ、人々には感謝される」というカタルシスだけ徹底!というのを至上命題にして娯楽アクション作品を追及してくれていたら、それはそれで一部には根強いファンを獲得できたんじゃないか…と思ったりします(私とか…(´∀`))。その場合は男三人のままの方がいいのかな。

あとね、最後にこれだけ。

みんなチャンスに冷たすぎ!(´д`;)

イルザなんか何回も「あなたは本当の愛を知らない」的なことを言うでしょ、優しくないよねー、あれ(´д`;) 
気持ちは分かるけど、本人にもどうにもならない&彼女自身を思いやってしたこと、言ったこと、をそんな風に批判されたら立ち直れなくない?グレるよ私なら。
まあチャンス大好きウィンストンがいてくれるからいいか…『ホワイトカラー』のニールに対するピーター、『メンタリスト』のジェーンに対するリズボンみたいに(´ー`)…って、イルザはまあチャンスのことが好きなわけで、だからそういう感情的な感じになってしまうとは思うんだけど。最後にはくっつくし…(だよね?)。


最終回はどうなることかとハラハラしましたが(制作側の思うツボ)、ハッピーエンドで良かったです。やっぱりこういう終わり方が一番だよ!ビバカタルシス!
とにかくゲレロの息子が最後まで守られたままで良かったと心の底からホッとしました。きっちり無慈悲な感じで締めてくれて良かったです(´∀`)

続きが見られないのはつくづく残念(´・ω・`)…ではあるけれど、下手に長期シリーズになってしまうとストーリー制作の都合上どうしても身内が犠牲にならなきゃいけないのがこういうジャンルの鉄板なわけで、ゲレロの息子がホッチの息子ジャック(いやジャックはきちんと無事ですがー)みたいになる話は絶対御免!ヽ(`Д´)ノな私としては、ここで綺麗に完結して良かったのかもしれない…という複雑な心境にもなったというね。

案の定、安定の冗長さになりましたが、とりあえず以上です。
かなり好きな作品でした(´∀`∗) 

日本語版が出たら買ってしまうかもしれません…


 

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↑ 散々恐怖を与えられた気違いトラックをやっとのことで撃退して煙草吸ってふぅ…で終わる映画という記憶しかない名作はこちら(´∀`)